脱炭素化とは？日本と世界の目標・企業の取り組みなどを解説

Question 1

脱炭素化とは？

Accepted Answer

脱炭素化とは、大気中の温室効果ガス(GHG)である二酸化炭素の排出量をゼロにする取り組みで、他の温室効果ガスの削減も含まれる場合があります。温室効果ガスは地球温暖化に悪影響をもたらし、海面上昇や洪水、干ばつなどを引き起こします。地球環境を守るためには、世界規模で脱炭素化に取り組まねばなりません。

Question 2

GHGとは？

Accepted Answer

GHGとはGreenhouse gasesの略称です。大気中の温室効果ガスの多くは、二酸化炭素です。また、メタンや一酸化炭素、フロンなども温室効果ガスの1種です。

Question 3

世界と日本が脱炭素化を推進する理由は？

Accepted Answer

■地球温暖化による気候変動に対応するため

脱炭素化を推進する理由の1つは、温室効果ガスによって地球温暖化が加速するためです。世界平均地上気温は、1880年から2012年の期間に約0.85℃上昇しました。温暖化により気候変動が起きると、以下のようなさまざまな問題が懸念されます。

・気温の上昇

・生態系の変化

・氷河の融解や水温上昇に伴う海水の膨張による海面水位の上昇

・海面水位の上昇に伴う高潮の被害の深刻化、海岸侵食などの被害

・農作物の不作や収穫時期のずれ

・洪水や干ばつ、台風、落雷などの増加

・砂漠化

・暑い地域で発生していた伝染病の範囲拡大

■エネルギー資源不足に対応するため

脱炭素化を推進すると、エネルギー資源不足に対応できます。温室効果ガスは、主に化石燃料を燃焼させる過程で発生するためです。石油や石炭などの化石燃料は、使い続けると枯渇します。脱炭素化により化石燃料に変わるエネルギーに転換しなければ、エネルギー不足により社会を維持できなくなります。

Question 4

日本が抱える脱炭素化への課題は？

Accepted Answer

1.エネルギー資源不足

日本は化石燃料への依存度が高く、エネルギー自給率の低さが問題視されています。経済産業省資源エネルギー庁が公開するデータによると、2014年の日本の化石エネルギー依存度は94.7%でした。

一方、アメリカやヨーロッパの国々は、再生可能エネルギーを積極的に取り入れています。特にフランスは化石エネルギー依存度が低く、46.2%程度です。日本も、化石燃料に頼らないエネルギーの実用化が求められます。

2.鉄鋼業で排出される多大な二酸化炭素

日本の主力産業である鉄鋼業では、多大な二酸化炭素が排出されます。日本鉄鋼連盟は、水素還元製鉄に向けた技術開発により脱炭素化に取り組むと表明しています。2023年現在、水素還元製鉄は研究開発レベルで、2050年頃に導入される見込みです。

3.物流や交通機関で見られる脱炭素化の遅れ

欧米に比べると、日本は物流や交通機関の脱炭素化に遅れをとっています。政府は「交通・物流（運輸部門）は、2030年度における二酸化炭素排出量を、2013年度に対して35％削減する」と、「国土交通白書 2022」にて明言しました。

物流や交通機関の脱炭素化に向けた対策は、次世代自動車の普及促進や、物流の効率化などです。例えば、次世代自動車の普及に向け、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車の充電設備の設置、水素ステーションの整備、走行中給電システムの研究開発などに取り組んでいます。

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