Question 1

カーボンニュートラルと脱炭素の違いは？

Accepted Answer

カーボンニュートラルとは、二酸化炭素(CO2)を主とした、メタン、一酸化二窒素(N2O)やフロンガスを含む温室効果ガスの排出量が「実質ゼロ」の状態になることを目指す取り組みで、脱炭素とは、「二酸化炭素の排出量がゼロになった社会」を意味し、カーボンニュートラルのように実質ゼロを目指すのではなく、完全なゼロを目標とする点が脱炭素の特徴です。

Question 2

カーボンニュートラルで達成すべきことは？

Accepted Answer

・2050年までに世界全体で温室効果ガスの実質ゼロを目指す

カーボンニュートラルの現在の目標は、「2050年までに世界全体で温室効果ガスの実質ゼロを目指す」こととなっています。特定の国や地域ではなく、世界全体で実質ゼロを目指します。

世界規模で目標が定められているため、先進国が発展途上国を支援したり、削減量の計測方法を生産ベースから消費ベースに変更したりするなどの対策が必要と考えられます。特定の国や地域だけが得をするような事態にならないように、バランスをとることが重要となるでしょう。

・2030年までに温室効果ガスを2013年度から46%削減する

日本は2030年度に、温室効果ガスを2013年度の数値から46%削減を目指します。さらに50%の削減に挑戦し、2050年に向けた準備を進めると宣言しています。

実現のために「脱炭素電源の最大限の活用」「地域の脱炭素化への支援」「グリーン国際金融センターの創設」「世界の脱炭素移行への支援」などを実施すると表明していて、それぞれの施策の効果に期待されます。明確な数値を目標とすることで、現在の達成度を考慮した施策の追加や改善などが行えます。カーボンニュートラルを成功させるうえで、具体的な数値目標は各企業も打ち立てることが推奨されます。

・二酸化炭素以外の削減達成も重要

カーボンニュートラルでは、二酸化炭素だけでなく環境問題に影響するさまざまな要因の削減も目標になります。例えばメタン、一酸化二窒素、各種フロンガスなどが、削減対象として捉えられるでしょう。

日本ではすでに二酸化炭素の削減に加えて、メタン、一酸化二窒素、各種フロンガスの実質的なゼロも目標になっています。二酸化炭素を削減して終わりではなく、環境に悪影響を与えるあらゆる要素の排除が必要とされるでしょう。

Question 3

脱炭素で達成すべきことは？

Accepted Answer

・世界の気温上昇を抑える

脱炭素の目標は、「平均気温の上昇を産業革命前と比較して2℃より十分低く保ちつつ、1.5℃に抑える努力をする」こととなっています。世界の気温上昇が対象となるため、世界各国が脱炭素の重要性を理解し、必要な行動を掲げて実現していく必要があります。

脱炭素も日本や数ヶ国の努力だけでは、目標の達成が実現できません。世界全体と各国の企業が努力して、脱炭素の目標を達成するために必要な行動を模索していくことが求められます。

・グラスゴー気候合意によって1.5℃が実質的な目標になっている

2021年に実施されたCOP26における「グラスゴー気候合意」によって、脱炭素の目標が実質的に1.5℃となりました。より効果的かつ迅速な対応が求められることから、「石炭火力発電の廃止」や「炭素市場取引による部分的な達成の実現」などが新たに制定されています。

従来は努力目標であった1.5℃が実質的な目標値となったことで、脱炭素における対応方法の修正・改善が求められる可能性があります。脱炭素もカーボンニュートラルも長期的な施策となるため、途中で目標が変更になる可能性も視野に入れておくと良いでしょう。

・二酸化炭素の排出量に上限を設けて削減を目指す

世界の気温上昇を抑えるには、二酸化炭素の排出量に上限を設けて削減を目指す必要があります。仮に脱炭素が目標とする1.5℃を目指す場合、累積排出量の上限は約2,790ギガトンが目安になります。上限を下回るためには、2030年までに世界全体のCO2排出量を約半減、2050年までに実質ゼロを目指す必要があります。約2,790ギガトンという数値が、脱炭素の達成における1つの目安になるでしょう。

Question 4

カーボンニュートラルと脱炭素における共通点は？

Accepted Answer

・二酸化炭素の削減が目標の1つ

カーボンニュートラルと脱炭素は、いずれも二酸化炭素の削減が目標となっている点では共通しています。二酸化炭素による地球への影響を解決し、豊かな未来を獲得することがカーボンニュートラルと脱炭素の最終到達点です。細かな目的は違いますが、最終的なゴールが一致しているのは、カーボンニュートラルと脱炭素の特徴でもあります

同じ目標を持つことから、カーボンニュートラルと脱炭素を切り離して考えるのではなく、両方を深く理解する必要があります。

・企業や個人ができることが多い

カーボンニュートラルと脱炭素のいずれも、企業や個人の力が必要となる点で共通しています。日常生活や企業活動のなかで、カーボンニュートラルと脱炭素の実現につながる要素は多いです。そのためカーボンニュートラルと脱炭素の詳細を把握し、できることを発見していくのが重要となります。

カーボンニュートラルと脱炭素に対して企業・個人が無関心のままでは、どれだけ社会が行動を促しても成果につながりません。特に企業はカーボンニュートラルと脱炭素の重要性を理解し、自社の従業員やその家族などに対して積極的に情報を発信していく役割が求められます。

カーボンニュートラルと脱炭素の違いについて解説

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