Question 1

カーボンニュートラルが抱える問題点は？

Accepted Answer

・二酸化炭素の排出基準が国の格差を生む

カーボンニュートラルにおける二酸化炭素の排出基準は、現在「生産ベース」で計測されています。そのためインフラ整備や経済成長が必要な開発途上国は、カーボンニュートラルへの取り組みを強要されることで発展を阻害される可能性があります。

結果的に、カーボンニュートラルを理由に先進国との格差が大きくなり、国家間に軋轢が生まれるケースも懸念されるでしょう。

・コストがかかる

カーボンニュートラルを実現するためのエネルギーを活用するには、多くのコストがかかります。二酸化炭素を原料としたカーボンニュートラル燃料に注目が集まっていますが、製造効率が悪いため少量しか製造できないのが現状です。

コスト効率の悪さからカーボンニュートラルに力を入れすぎると、負担が増加して人々の生活に影響が出る可能性もあります。企業にとってもカーボンニュートラルを推進するためにコストがかかると、事業活動に支障が出るケースも懸念されます。

・実現証明が困難である

カーボンニュートラルを実現したと証明することは困難であるため、成果が可視化しづらい点も課題となっています。各国で二酸化炭素の削減基準を設定・統一することは難しく、実際に削減したと裏付けるのも簡単ではありません。

Aの国がカーボンニュートラルを達成しても、Bの国が未達成になった結果、トータルで世界全体の二酸化炭素量が増加する可能性もあります。その場合、Aの国は払ったコストに見合うリターンを得られないリスクがあるため、世界の国々がカーボンニュートラルに消極的になるケースも想定されるでしょう。

Question 2

カーボンニュートラルで見られる矛盾とは？

Accepted Answer

・二酸化炭素の排出量が国によって異なる

カーボンニュートラルで削減すべき二酸化炭素は、国ごとに排出量が異なっています。実際の数字では中国が29.5%、アメリカが14.1%の割合であるのに対して、日本は3%程度しか排出していません。そのため日本がカーボンニュートラルに力を入れても、アメリカなどの排出量の上位国が追従しなければ、取り組みそのものに意味がない可能性があります。

・別の環境問題が発生するリスクがある

カーボンニュートラルにつながる施策そのものにも、矛盾がみられます。例えばバイオマス発電は二酸化炭素の排出量が少ないと注目されていますが、植物や動物を資源とするため森林伐採など別の問題が発生する可能性があります。

環境破壊などの課題が発生すれば、カーボンニュートラルを実現しても地球が抱える根本的な問題は解決しません。カーボンニュートラルに関する取り組みを実施することが目的となって、行為に矛盾が生じているケースも多いです。

「二酸化炭素の排出量実質ゼロ」が根本的な問題解決につながらない可能性がある

カーボンニュートラルでは、二酸化炭素の排出量を「差し引きで実質ゼロ」にすれば良いと定義しています。逆にいえば化石燃料を使用して二酸化炭素を排出しても、何らかの形でカバーすれば問題ないという結論にいたります。

これは二酸化炭素の排出を許容しているとも捉えられるため、「問題の根本的な解決につながらない」という疑念が生まれます。制度に懐疑的になる人が増えると、積極的に取り組みが実施されず目標を達成できない可能性が高まります。

カーボンニュートラルが抱える問題点｜矛盾や解決方法を解説

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